映画「RUSH」ラッシュ/プライドと友情
『アポロ13』。『ビューティフル•マインド』。
ロン•ハワード監督は、しっかりした映画をつくる。
その彼を信頼しているので、劇場で観ようと思っていた。
昨晩観て、期待以上の出来栄えだった。
劇場で観てよかった。
F1バトルの実話である。
F1のエキゾーストノート(排気音)はTVではわからない。
あの空気感、肌を震わせる振動が良く演出されている。
76年F1グランプリ、ジェームス•ハントとニキ•ラウダの戦いのドラマである。
実話の重み。
最終決戦の豪雨の富士スピードウェイの結末とその後のふたりを簡潔に語る語り口もまた上手い。
そして70年代の再現が素晴らしい。
70年代にはまだコンピューターがF1の世界に入っておらず、F1のマシンは機械(マシン)そのものだった。自動車の車体も官能的だった。
少なくないレーサーが事故で命を落とした時代だ。
けれども70年代の時代の魅力があるのもまた事実。
商業化される前の、最後の時代なのか。
政治の季節が終わり、高度消費社会の到来はまだ先の時代。
携帯電話もSNSもない時代。
けれども生身の人間がモンスターマシンを操り、チャンピオンの座を争う姿が眩しい。
知性の人ニキ•ラウダの視点で描かれるこの映画には、自由奔放なジェームス•ハントへのオマージュが隠されているとボクはみた。
そのやんちゃでワイルドな彼のレクイエム・・・。
70年代の神話への愛。
ジェームス•ハント演じるクリス•ヘムズワースが眩しく魅力的だ。
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