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2014年3月 3日 (月)

アラン•レネ監督 逝去の報に接し

三月一日、パリで逝去。
その報に接した。

アラン•レネ監督。

享年九十一歳。

二十世紀の映画史において、最も知的な映画を作り続けた人だった。

いや、もっと個人的なことをいえば、ボクの青年期に大きな影響を与えた映画人だった。

おそらく今の若い人には忘れられた監督だろう。

ヌーヴェルバーグ、ゴダール、レネ、アントニオー二。

その名前を知らなくても、今映画をつくる世界の映画人は、学びの過程できっと彼らの洗礼を受けるに違いない。

アラン•レネ。

短編映画『夜と霧』。

長編第一作『二十四時間の情事』。
マルグリット•デュラスが脚本を書いた。
原題「ヒロシマ•モナムール」。

長編第二作『去年マリエンバードで』。
アラン•ロブ•グリエ脚本のヌーヴォーロマンの映像化。

そして『ミュリエル』。

『戦争は終わった』。

『薔薇のスタビスキー』や『プロヴィデンス』。

六十年代から七十年代にかけてが全盛期だった。

映画表現の可能性を広げた人だった。

本当に素晴らしい映画をつくり続けてくれた。

そして、日本では忘れ去られた。

しかしボクの胸に刻まれた彼の映画の数々は今でも輝いている。

文学のように、これからも彼の映画は生き続けることだろう。

未来の映画人に驚きをもって観られることだろう。

彼は、あるいは現代映画の青春を生きた監督だ。


アラン•レネの死を悼む。

ボクに大切な何かを教えてくれた。

世界を理知的な眼差しで、捉えることを教えてくれた人である。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。




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