豊洲 伽藍とバザール
地下に迷宮が広がっている。繰り返し報道される映像には不可思議な地下空間が広がっていた。足元は?これまた不思議な光景だ。ひたひたと水が広がっている。意図した光景か?意図せざる光景か?いずれにせよ人が造った地下の建造物である。勝手にできた訳ではない。発注者がいて受注者がいる。図面がひかれ施工され、その過程で何百回と検討が加えられたはず。引渡し時には検証され引き渡された地下の謎の空間。その伽藍、誰が指示して造ったのか。杳として明らかにならない。指示した人は心中穏やかではないだろう。みんな何かを黙ってるのかもしれない。伽藍とはそのようなものなのだろう。カフカの『審判』のような掴みどころのない何か。 迷宮が広がったままバザールが開場されなくて良かったと思うべきだ。あの知事ならば隠蔽された地下の迷宮は迷宮のままであったろうか。あの地下に鰐が住むようになったろうか。バザールの地底のあの水はどこに通じているのか。湯河原に繋がっているのか?地下の伽藍は深い闇をたたえて今広がっている。その闇はかつての知事がいうところの「伏魔殿」なのか。恐るべき闇の神殿。都はこれを負の遺産として都民に公開したらどうだろう?誰も名乗りを上げぬ空間。誰もが知らなかった。我に責任はないとする空間。たくさんの税金が使われた空間。それによって潤った業者がいる空間。バザールの業者が困っている空間。伽藍とバザール。このままではバザールは使えない。誰が見ても明らかだ。関わった誰もが責任を負わなければならないだろう。責任を負わないままバザールが開場する訳はない。地下空間が悪いのではない。その闇を誰もが息を潜めて自分には責任がないとしていることが悪いのだ。そのような人々が住むに相応しい空間が豊洲の地下に広がっている。バザールに人が集まるまでに闇を消していかなくてはならない。この地下の伽藍が世界遺産にならぬように願う。
| 固定リンク
コメント
きっと関わった誰かが何かに眼をつぶり、計画や作業を進めたのでしょうね。見ざる、言わざる、聞かざる……これは自戒もこめて。ひょっとしたら誰もが自分の中に豊洲の地下空間みたいなものを作ってしまっているかもしれない。おそろしいことです。誰かが謎をきっちり解明してくれればいいのですが。このまま、なしくずし的に豊洲が前進してしまうとしたら……さらにおそろしいことです。織田信長が総理大臣か都知事だったら問題や原因の如何を問わず関係者すべて死刑でしょうが……
投稿: arriba | 2016年10月 7日 (金) 23時02分
arribaさん
オーソン・ウェルズが監督したカフカの『審判』を思い出しました。官僚機構の底知れない闇。誰が決めたのかわからない罪と罰。官僚機構の腐敗と堕落に陽の光が射すといいのですが。いずれ懲戒処分が下されるそうですが、真相は闇の中のままかも知れないですね。その方が官僚機構には都合がいい結末なのでしょう。『幸福な結末』かどうか見守りたいものです。
投稿: チャーリー | 2016年10月 9日 (日) 17時35分