「反脆弱性」上・下
『ブラック・スワン』で知られるナシーム・ニコラス・タレブの『反脆弱性』を少しずつ読みながら過ごしたこの七月。
下巻をおそらく後一週間くらいで読み終えるだろう。
優れた本がそうであるように、読み終わることが惜しいと感じる。
きっとこの八月は、再読するだろう。タレブとともに世界を見詰める八月。
先週、ある大臣が辞任した。同日、ある党の代表が辞意を表明した。この二つの辞任劇をみながら、ボクはタレブの説く『脆さ』を感じていた。
ある大臣は、所属する政党の支持率を大いに毀損した。また省全体のガバナンスを毀損した。責任を曖昧にする言葉。責任を取らない形で責任をとった。
ある代表は、党の支持率の低下、議席減により、責任問題を問われた。幹事長が責任をとる形で辞任した。しかし代わりの幹事長は見つからなかった。責任をとって辞意を表明した。しかし何の責任であったろうか?
ふたつの辞任劇が同日に起こる。与党と野党に。
これは偶然だろうか?
『脆さ』は突然に姿を現したけれど、それまでの道のりは、脆さの石に敷き詰められていたと考えられる。
学ぶべきことがたくさんある。
高支持率を維持してきた政権も、あれよあれよという間に低空飛行する羽目になった。
今日は、その政権の改造内閣が発足する日。
これからの政治を見守ろう。
改造内閣:
Cabinet reshuffle
脆さをシャッフルしても脆さは脆さ。
反脆弱性を獲得できるか?
見守りたい。
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