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2017年12月31日 (日)

2017年の大晦日の晩に

2017年のことを記しておこう。

今年は一言で云えば、Blessing in disguise の年だった。
村上春樹さんの最新長編「騎士団長殺し」の第一部、142ページにこの英語表現について描かれている。
「偽装した祝福。かたちを変えた祝福。一見不幸そうに見えて実は喜ばしいもの、という言い回しだよ。Blessing in disguise 。」(引用)。
そのような経験をして、2017年はいい年だったと云える境地にボクはいる。
影響を与えてくれた書物はー
『反脆弱性』(ナシーム・ニコラス・タレブ)上下巻。
ブラック・スワンという概念を一般化させたレバノン出身の哲学者のこの大作を二回読み返した年。
ANTIFRAGILE。副題にある「不確実な世界を生き延びる唯一の考え方」をボクは今でも身に付けたいと願い、この本を持ち歩いている。
村上春樹さんの『騎士団長殺し』第一部、第二部。
一読し、堪能し、いつかもう一度時間をかけて再読したい作品だ。
作家の本当の息遣いが聞こえるようだった。
感銘を受けた映画はー

『ダンケルク』
そして、
『ブレードランナー2049』。
それぞれ3回づつシネコンで観た。
ともにIMAXフォーマットで細部まで造られた映画で、ボクにとって2017年は、IMAX元年になった。
多様な見方ができる映画だからこそ、傑作と云える。
ボクについて、この二作品は「転機」についての映画だ。
『ダンケルク』は歴史の転換点にあって運命に翻弄される若者たちの「人生の転機」の歴史的物語。
『ブレードランナー2049』は若いレプリカント K、そして父親世代のデッカード、ふたりの転機の物語だった。

そのような作品に恵まれながら、ボクは2017年を生きることができた。
いろいろなことがあったけれど、ボクの場合、「いい年だった」と云える年は近年そうそうなかった。
だからこれは喜ばしい大晦日と云えるだろう。

いつの間にか、『人生100年時代』と云われる風潮の年。
おそらく『人生100年時代』を流布する人々も100年を生ききることは至難の大事業であろう。
それよりも日本人の古来からある死生観に立ち返るべきだ。
生きることは、今とここにしかない。

その今とここを充実させて生きよう。
そのようなことを2017年の大晦日の晩に考える。
良い2018年を!

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