名古屋 藤が丘 我が家の処女地
名古屋を所用で訪れた。早朝の時間に、昔住んだ町を訪ねた。
転勤が決まり、最初にした家探し。ほぼ同じ季節に、名古屋市内の物件を見て回った。
最後の決め手は、この桜並木の緑だった。
名古屋市内を東西に伸びる地下鉄「東山線」の東の端に、藤が丘駅はある。
昔は丘陵地帯。たぬきも出たと云う。都市計画でコンパスで線を引いたような道路が、バス通りになった。
そこに街ができ、主に転勤族によって栄えていった。
ボクもまた「転勤族」だった。
幼子をかかえた三人家族。
まだ乳飲み子の長男と共に緑豊かな横浜から移る土地として、 この地を選んだ。
二十年前は、桜の樹もまだ若かったはず。
しかし今はこの風格。苔むす桜木に成長した。
そして、うれしいものを見つけた。
初めて、長男と外食したミスター・ドーナツ店。
不易。
変わらずそこにあるもの。
二人で、ミネストローネを飲んだね。
そうか。
ボクは家族を何より優先して、この地を選び、新たな人生を始めたんだった。
全てに優先すべきもの、家族。
そんな若き日の自分に出会った。
お前は間違ってはいなかった。いや、正しかった。
家族を守ったし、これからも守っていくだろう。
たくさん苦労してもいい。
いずれそれが糧となる日はやって来る。
必ずね。






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